しかしながら、できるだけいい場所でショー等を観賞するために、想像をはるかに超える長い時間を鑑賞エリアで待つこともあります。それにより、普段はなかなかディズニーに来られない方がせっかくパークに来ても、観賞エリアに実質的に入れない状況が多くなっています。
鑑賞場所や、ショーの人気の度合いによっても異なるので一概には言えませんが、一部のショーで実施されている抽選制度、整理券配布、整理入場や、鑑賞場所の拡張や工夫などを積極的に行っていくことで、この問題は改善されていくかもしれません。
また、パークを「良く知る人」と「知らない人」の差が広がっていることも満足度に影響を与えているかもしれません。例えば、昨年4月から制度が一部変更になった「プライオリティー・シーティング」という、レストランの事前予約制度が挙げられます。
以前は事前予約をしていなくても、どのレストランも当日並ぶことができましたが、制度の一部変更により、「プライオリティ・シーティング」対象のレストランは、当日空きがある場合を除いて、事前予約なしでは入れなくなってしまいました。…
こうした情報を知っていれば、行きたいレストランに事前に予約をしておくことができますが、知らなければ、当日「あのレストランに行きたい」と思っても並んで待つことすらできません。
しかも、こうした細かな制度変更は、イベントのように大々的に告知されることはありませんので、頻繁にパークを訪れる方でなければ気づくことは難しいと思います。情報を「知らない人」がパークを満喫する機会が少しずつ、ゲスト自身も気がつかないところで失われている現状があります。
●前向きな進化を続ける東京ディズニーリゾートここまで、顧客満足度の低下をめぐる近年のパークの変化について触れてきました。しかし質の高いエンターテイメントを長年にわたって提供しつづけてくれる、変わらない魅力があるのも事実です。だからこそ今でも多くのゲストが「夢と魔法の王国」の世界に飛び込み、そして、「冒険とイマジネーションの海」を冒険しに訪れています。
それは、魅力的なキャラクター、個性あふれるアトラクション、感激を与えてくれるショーやエンターテイメントなど、東京ディズニーリゾートでしか味わえない感激や感動があるからと言えるでしょう。
さらに、ディズニーランドでは現在大規模な再開発が行われています。2020年度までに、ファンタジーランドに大規模アトラクションや「美女と野獣エリア」、ライブエンターテイメントシアターが完成する予定です。またトゥモローランドやトゥーンタウンにも新規アトラクションやキャラクターグリーティング施設が導入される事が発表されています。
東京ディズニーリゾートは来年35周年の大きな節目を迎えます。「テーマパーク」の言葉を日本に広め、幅広い世代に愛され続け、大きな歴史を刻んできました。課題も多いですが、「永遠に完成しない」その姿でこれからも楽しませてほしいものですね。